資産運用

第2回:2025年版 高市銘柄 最新ニュースまとめ|防衛増額・AI戦略・通信政策の行方

目次

はじめに:ニュースを“材料”で終わらせず、業績へつながる動線で読む

2025年は「政策×テック」が日本株のコアテーマ。中でも“高市銘柄”の文脈で防衛AI通信(Beyond5G/量子/IOWN)が同時進行しています。

重要なのは 「ニュース → 制度・予算 → 受注・設備投資 → 収益化 → 株価」 の順序で解像度高く追うこと。

単発材料でなく、キャッシュフロー化の確度を見極める視点がリターンを左右します。以降、投資家の実務に直結する観点で5項目に整理します。


1. 防衛:当初8.47兆円、補正含め2%接近のシナリオ

防衛:当初8.47兆円、補正含め2%接近のシナリオ

過去最大の当初予算

2025年度の当初防衛予算は8兆4,748億円で過去最大。トマホーク巡航ミサイル配備開始など、装備の近代化が本格化します。(Reuters Japan)

中期の増額路線(5年43兆円)と補正の含み

日本は5年間で43兆円の防衛力整備を掲げ、当初9.9兆円規模+補正で対GDP比2%へ近づける運用が俎上に。政権は数値目標より必要能力ベースでの編成方針を示しつつ、米側の増額要請とも折り合いを探る局面です。(Reuters)

投資家の要点:装備“品目別”の受注波及

長射程ミサイル、無人機、警戒・サイバー、艦艇・潜水艦と品目ごとの契約フェーズが異なります。決算では受注残・前受金・固定資産回転の変化を確認。材料→受注→仕掛→売上計上の時間差を吸収できる企業が“本番”で強い。

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「予算ヘッドライン買い」ではなく、契約開示→設備/人員計画→売上転化の順でモニター。防衛関連ETF+個別の“受注倍率”高い企業の二層で組む。


2. AI:日本初のAI促進法で“実装フェーズ”が加速

AI:日本初のAI促進法で“実装フェーズ”が加速

法制度の大枠

AI促進法(AI Promotion Act)が2025年5月に成立。研究開発・産業実装を後押ししつつ、人権リスク等に対する政府の調査・是正要請の枠組みを整備。「推進×責任ある活用」の両輪で、官民実装を前へ進める姿勢が明確になりました。(IBA)

政策が映す投資テーマ

(1)基盤/クラウド、(2)エッジAI/半導体、(3)業務実装SaaS/エージェント、(4)データガバナンス/セキュリティが柱。NTTはマルチエージェント等の基盤技術を発表し、通信×AIの国産エコシステムを主導。(NTT)

実務ポイント:PoCからPLへ

企業導入はPoC→本番移行→運用拡張で費用が売上へ反転。受注報告・ARR/NRR・解約率・粗利率の改善が“第二波”のサイン。

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「生成AIバズ」ではなく“実装KPI”(ARR、顧客単価、継続率、粗利)と顧客事例数を重視。基盤×実装の縦串保有でボラを平準化。


3. 半導体:Rapidusの追加支援と2nmラインの前進

半導体:Rapidusの追加支援と2nmラインの前進

追加支援と上限枠

政府のポスト5G基金/NEDOスキームでRapidusのFY2025計画が承認。前工程6,755億円、後工程1,270億円等の計画が示され、委託研究上限は累計1兆7,225億円に到達。道内千歳の拠点整備も進展。(経済産業省)

サプライチェーンへの波及

露光・計測・洗浄・パッケージ・電力/冷却まで広く波及。経産省の英語版資料でも先端パッケージング支援の採択が明示され、周辺装置/素材企業にも需要の裾野が広がる絵姿。(経済産業省)

実務ポイント:装置受注と稼働率

装置受注残→据付→立上げ歩留り→稼働率→減価償却の吸収が利益転化の鍵。四半期では粗利の伸びが鈍く見える局面も、稼働立ち上がりで一気にレバレッジが利きます。

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前工程(EUV/計測)+後工程(AP/冷却/基板)のバーサタイル・バスケットで波を平準化。Rapidus/NEDOの節目開示カレンダーを投資カレンダーへ落とし込む。


4. 通信:Beyond5GとIOWNで“配当+成長”の二刀流へ

 通信:Beyond5GとIOWNで“配当+成長”の二刀流へ

Beyond5G/6Gの進捗

NICTは日独/英とのB5G/6G研究連携を継続し、2025年もフォーラムやワークショップを実施。学術産官が横断で標準化・実証を進めています。(Beyond5G研究開発推進ユニット / NICT)

IOWN(光電融合)の産業インパクト

NTTのIOWN構想は、光電融合で超低遅延・省電力を実現し、AIデータ処理の電力課題を抜本的に解決する次世代インフラ。ロードマップを公表し、技術開発を加速中。通信×AI×半導体の交差点で日本発の競争力を狙います。(NTT Data)

実務ポイント:配当+成長テーマの重ね掛け

通信大手は配当リターンが土台。そこに衛星統合/B5G/量子暗号/IOWN成長オプションを重ねるのが2025年の基本設計。

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アドバイス: ディフェンシブ一辺倒を脱し、高配当(コア)+B5G/IOWN(サテライト)の二層構造で“守りながら攻める”ポートフォリオへ。


5. マクロと政治リスク:2%目標の“達成”より“質”を読む

マクロと政治リスク:2%目標の“達成”より“質”を読む

目標は手段、能力が目的

政府は**「数値目標より必要能力」の考え方を強調。米側のGDP比引き上げ要請報道も交錯するが、日本は自国の防衛ニーズに即した編成**を優先する姿勢を再確認。(Reuters)

税財源・補正の組み立て

増額の恒久財源として増税案が俎上に載った経緯があり、補正との組合せが政治日程の変数に。短期の株価ボラは財源議論の見出しで発生しやすい点に留意。(Reuters)

実務ポイント:イベントドリブンの罠

国会会期末/補正編成/日米安保イベントはヘッドラインで荒れやすい一方、本丸は受注・契約・設備稼働

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アドバイス: 見出し変動に翻弄されず、期ズレを味方に。イベント急落は受注・稼働に変更なしなら拾う、が基本戦術。


まとめ:ニュースは“入口”。業績に移る“出口”までをマップ化する

  • 防衛:当初8.47兆円。装備別に契約〜納入の時間差を読む。(Reuters Japan)
  • AI:AI促進法で“実装の第二波”。ARR/粗利/事例数で選別。(IBA)
  • 半導体:Rapidus追加支援で上限1.7兆超。前/後工程と周辺インフラへ波及。(経済産業省)
  • 通信:B5G/IOWNで「配当+成長」。インフラ刷新の長期トレンド。(Beyond5G研究開発推進ユニット / NICT)

結論:政策ヘッドラインを“買いの号砲”にせず、制度→受注→稼働→PL動線管理で意思決定。これが“ニュースで勝つ”投資家の作法です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 防衛増額ニュースは短期で買い?中期で買い?

A1. ヘッドラインは短期物色を誘発しますが、売上計上は遅行します。契約開示や受注残、前受金、CF(投資/営業)の変化を決算で追い、**「受注が仕掛に変わるタイミング」**での押し目エントリーが再現性高いです。補正や税財源の報道でボラが出た局面は、中期の需給に変化がなければ分割で拾う戦略が有効。(Reuters Japan)

Q2. AI促進法で具体的に何が変わる?銘柄選別の基準は?

A2. 研究開発・導入の後押しと、リスク対処の枠組みが整備されます。銘柄は(1)基盤/クラウド(2)業務実装SaaS/エージェント(3)データ/セキュリティに分け、ARR/NRR/粗利率/事例数で“実装度”を定量評価。NTTのマルチエージェントのような国産技術軸も長期妙味。(IBA)

Q3. Rapidus関連はどの指標を見れば良い?

A3. 公的支援の節目開示(計画・上限・評価)と、装置ベンダーの据付・稼働・歩留りのトラック。周辺の先端パッケージ/冷却/電力まで裾野が広がるため、単一銘柄でなく前工程×後工程×周辺インフラ三層バスケットが現実的。(経済産業省)

Q4. 通信はディフェンシブでしかない?

A4. 配当の“土台”は魅力ですが、B5G/衛星統合/量子/IOWN攻めの成長ドライバが追加。配当+成長オプションの二刀流でトータルリターンの質が上がります。研究・標準化の継続性は公的機関のニュースで確認可能。(Beyond5G研究開発推進ユニット / NICT)

Q5. 政策ヘッドラインに振り回されないための運用術は?

A5. イベント表(国会・補正・国際会議・審査会)とKPI表(受注/稼働/ARR/粗利)の二重台帳を作ること。ニュースは入口、数字が動く期ズレを設計に組み込む。急落はKPI不変なら買い場、KPI毀損なら撤退──と事前ルール化で感情を排す。


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運用アドバイス(総括)
「政策ニュースを“入口”として、制度→受注→設備→稼働→PLの“出口”までを銘柄別にマッピングする」。この“動線管理”こそが2025年の高市銘柄で安定リターンを積む最短ルートです。次回は、実際のイベント・決算KPI連動のウォッチリストを提示して、エントリーと増減のルールまで落とし込みましょう。

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【学歴】:東洋大学 経済学部経済学科 卒業| 【仕事】:ホームページ制作、WEB解析、ブログ| 【ルーティン】: 黒霧島水割り、プロテイン 【出身地】:熊本県玉名市 【活動拠点】:千葉県船橋市 【好きな言葉】:we are all one