はじめに
デイトレード(短期売買)の世界では、
「どのタイミングで入るか」
「どこで抜けるか」
がすべてと言っても過言ではありません。
その中でも、トレーダーが特に注目するのが
「ブレイクアウト(Breakout)」と
「リバーサル(Reversal)」
という2つのチャートパターンです。
この2つを理解すれば、チャートの波を“読む”トレードから、“仕掛ける”トレードへと進化できます。
本記事では、初心者にもわかりやすく、
- ブレイクアウトパターンとは何か
- リバーサルチャートの見極め方
- それらを使った実践的なデイトレ戦略
を、丁寧に解説していきます。
「上級者のチャート分析」と聞くと難しそうですが、一歩ずつ理解すれば誰でも応用可能です。
1. ブレイクアウトとは?チャートの“壁”を突き抜ける瞬間を狙え

デイトレードで最も興奮する瞬間、それは**「株価が抵抗線を突破する瞬間」**です。
これが、いわゆる「ブレイクアウト パターン」と呼ばれる現象です。
ブレイクアウトの基本
チャート上では、何度も上値を抑えられる「レジスタンスライン(抵抗線)」や、下値を支える「サポートライン(支持線)」が形成されます。
ブレイクアウトとは、その価格の壁を強い勢いで突破する動きのこと。
たとえば、1000円の株が何度も頭打ちになっていたのに、出来高を伴って1005円を超えてきたら、
それは上方向へのブレイクアウトです。
この瞬間にエントリーできれば、短時間で大きな値幅を狙うチャンスになります。
ブレイクアウトが成功する条件
- 出来高の急増
出来高(取引量)が伴わないブレイクは“だまし”の可能性が高いです。
大口投資家の買いが入っているサインを確認しましょう。 - 明確な抵抗線の突破
ラインが意識されていないとブレイクとは言えません。
複数回反発しているラインを抜けた時が本物です。 - ニュースやテーマの裏付け
材料(決算、業績、業界トレンドなど)があるとブレイクが継続しやすい傾向があります。
代表的なブレイクアウトパターン
- レンジブレイク型:横ばいの価格帯を抜ける
- 三角持ち合いブレイク型:収束するトレンドラインからの上放れ
- ボックスブレイク型:一定範囲のボックス圏を突破する
上級者は、このようなパターンをリアルタイムで認識し、事前に準備しておくのです。
2. リバーサルとは?トレンドの“転換点”を見抜く分析力

ブレイクアウトが「勢いに乗る戦略」なら、リバーサルは「転換を狙う逆張り戦略」です。
リバーサル チャートとは、トレンドの終わりや始まりを示唆するパターンのことです。
リバーサルの基本
株価は永遠に上がり続けたり、下がり続けたりはしません。
どこかで「限界」に達すると、トレンドが反転します。
その反転のサインをチャートから読み取るのがリバーサル分析です。
よく使われるリバーサルパターン
- ダブルトップ/ダブルボトム
2回の高値(または安値)をつけて反転する形。最も基本的なリバーサルパターンです。 - ヘッド・アンド・ショルダー(逆三尊・三尊)
「肩・頭・肩」の形でトレンド転換を示唆。
出来高の減少→増加→再減少の流れも確認ポイントです。 - ピンバー(ローソク足の反転シグナル)
長いヒゲが出ているローソク足は「一度試して失敗した」サイン。
特に上ヒゲの長い陰線は、上昇の終わりを示唆する強いリバーサルシグナルです。
リバーサルを見極めるポイント
- 長期トレンドの中で確認する(5分足だけで判断しない)
- 出来高が減り、勢いが鈍っているかをチェック
- RSIやMACDなどの**オシレーター系指標でダイバージェンス(逆行現象)**が出ていないか確認
3. ブレイクアウト×リバーサルを組み合わせたデイトレ戦略

上級者トレーダーは、ブレイクアウトとリバーサルを同時に分析しています。
どちらか一方に偏るよりも、「抜けるか、転換か」を両面で見ることで、“だまし”を減らすことができるからです。
戦略1:リバーサル確認後のブレイクアウト狙い
たとえば、下降トレンド中にダブルボトムを確認。
その後、ネックラインを明確に上抜けた瞬間は、強力な上昇ブレイクの初動になります。
この“反転からのブレイク”は成功率が高く、上級者の定番エントリーポイントです。
戦略2:ブレイク失敗=リバーサルのチャンス
一方、ブレイクアウトが失敗して再び戻ってくる場合は、逆方向へのリバーサルサインです。
例えば「上抜け→急反落」の形になったら、それは**“だましブレイク”**。
売りで入る絶好のチャンスになります。
戦略3:チャート時間軸をズラして分析
上級者は1分足だけで判断せず、5分・15分・1時間足を組み合わせます。
短期でブレイクしても、長期足でリバーサルシグナルが出ていれば、
「上昇の勢いが続かない」と見抜けるのです。
4. 実践チャート分析:エントリーとエグジットのリアル思考

ここでは、実際に上級者がどのようにブレイクアウト・リバーサルを活用しているかを見てみましょう。
エントリーの考え方
- トレンドラインを引く
抵抗線・支持線を明確に引くことで、ブレイクの候補を特定します。
特に「過去3回以上反発しているライン」は要注目です。 - 出来高とタイミングの一致を確認
出来高が増えている=市場参加者が増えている証拠。
値動きと同時に出来高も跳ねている場合は、信頼度が高いです。 - ニュース・テーマ株との連動を意識する
企業ニュースやセクタートレンドもチャートに影響します。
テーマが追い風のときは、ブレイク後の伸びが強くなる傾向があります。
エグジット(利確・損切り)の考え方
- 利確目標:直近の高値・安値ラインに設定
- 損切りライン:ブレイクしたラインの「内側」に設定
→ これにより「だましブレイク」での損失を最小限にできます。
また、RSIが70を超えたら利確を検討するなど、オシレーターを活用した出口戦略も有効です。
5. 役立つチャートツール・アプリ紹介(2025年最新版)

ブレイクアウトやリバーサルを実践的に学ぶには、チャート分析ツールが欠かせません。
2025年現在、デイトレ戦略に強いアプリは以下の通りです。
① TradingView
世界中のトレーダーが使う高機能チャートツール。
「ブレイクアウト アラート」や「リバーサル検出スクリプト」など、
カスタムインジケーターが豊富。リバーサル チャートの検証にも最適。
② moomoo(ムームー)
AIがリアルタイムでチャートをスキャンし、ブレイクアウトパターンを自動検出。
初心者でもAIの分析を見ながら練習できる「AIデイトレ学習」機能が話題です。
③ SBI証券「kabuステーション」
出来高分析とトレンドライン描画に優れた国内定番ツール。
日本株デイトレ戦略との相性が非常に良く、スピード注文機能も強力。
④ 楽天証券「iSPEED」
スマホでのデイトレ向けに最適化されたアプリ。
ブレイクラインを事前に設定し、株価到達時に即通知してくれるため、
エントリータイミングを逃しません。
⑤ MetaTrader 5(MT5)
世界のプロが使用する分析プラットフォーム。
「リバーサル検出インジケーター」などの拡張機能を導入可能で、
テクニカル重視のデイトレ戦略には欠かせません。
まとめ
ブレイクアウトとリバーサルは、デイトレードの核心です。
この2つを理解すれば、チャートの「波」をただ追うだけでなく、自分で波を読んで乗る戦略的なトレードが可能になります。
特にポイントは次の通りです:
- ブレイクアウト:勢いに乗って“波に乗る”
- リバーサル:転換点を狙って“波の反転を掴む”
- 両者を組み合わせることで“だまし”を減らせる
そして、2025年の株アプリトレンドでは、AIによる自動検出機能が急速に普及しています。
自分のチャート分析力とAIの補助を組み合わせることで、
安定感のあるデイトレ戦略を実現できるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. ブレイクアウトとリバーサル、どちらを優先すべき?
A. 相場状況によります。強いトレンド中はブレイクアウト、停滞相場ではリバーサルが有効です。
Q2. ブレイクアウトが「だまし」かどうかを見抜く方法は?
A. 出来高の増減とローソク足の終値を確認しましょう。出来高が伴わないブレイクは危険です。
Q3. リバーサルの精度を高めるには?
A. RSIやMACDなど、オシレーター系の指標と組み合わせると信頼度が上がります。
Q4. AIで自動的にブレイクやリバーサルを検出できますか?
A. moomooやTradingViewでは可能です。AIが過去パターンを学習して通知してくれます。
Q5. 初心者でもこの分析法は使えますか?
A. はい。最初はチャートに線を引いて観察するだけでも効果があります。少額から練習しましょう。
