はじめに:次の焦点は「情報を守る国産インフラ」
高市早苗氏が掲げる政策の中で、2025年以降のキーワードになるのが「情報の国産化」。
防衛・半導体に続く柱として、通信インフラとサイバーセキュリティの強化が動き出しています。
国家機密の保護、AI社会の情報リスク、そして海外クラウドへの依存。
これらを解決するために、「国内の通信技術」「国産クラウド」「量子暗号通信」などの分野が政策支援を受けています。
つまり今後の高市銘柄は、「情報を守る技術」に注目することがポイントです。
本記事では、通信・サイバーセキュリティ分野での政策動向と注目企業を詳しく見ていきましょう。
1. NTT法改正と「情報主権」強化の流れ

政策の狙い:国が“通信”を取り戻す
NTT法改正は、いま最も注目される政策テーマの一つです。
戦後から続く旧郵政体制の名残を改め、NTTをより自由な経営体制にすることで、
研究開発・海外展開・民間連携を促進する狙いがあります。
政府はNTTを中心に、
- 国内通信インフラの維持
- 光通信・量子通信の研究強化
- サイバーセキュリティ統合体制の構築
を推進中です。
その中心にあるのが「IOWN構想(Innovative Optical and Wireless Network)」。
これはNTTが主導する次世代通信プロジェクトで、AI時代に対応する高速・省電力通信を実現します。
通信株は地味に見えますが、国家レベルの長期テーマ。
NTT法改正やIOWN構想は10年単位で進むため、安定×政策恩恵の長期保有銘柄として注目に値します。
2. NTT(9432)|“光と量子”で次世代通信をリード

NTTは日本の通信の根幹を担う企業であり、政策支援の最大の受益者です。
特に注目すべきは、光通信技術と量子暗号通信の研究開発。
これにより、データの安全性・伝送速度が世界トップレベルに向上します。
また、NTTデータによるAI・クラウド事業も拡大しており、
「防衛×通信×AI」という分野を横断的にカバーできる唯一の企業です。
配当利回りも高く、ディフェンシブ銘柄としても優秀。
短期トレードよりも“国策インカム投資”の視点で持つのがコツです。
3. NEC(6701)|防衛通信とAIセキュリティの両輪

NECは、サイバーセキュリティ・防衛通信・AI解析の3分野を融合した企業です。
防衛省や警察庁向けの通信ネットワークを長年担当しており、“国家通信の守護者”といえる存在。
また、「量子暗号通信」「生体認証」「AIによる侵入検知」など、
AIセキュリティ技術でも世界的に評価を得ています。
2024年からは、国内クラウド基盤「NEC Cloud IaaS」を政府機関向けに拡大。
“クラウドの国産化”という高市政策の方向性にも合致しています。
NECは株価変動が緩やかで、政策発表後にじわじわ上昇するタイプ。
材料前に仕込む中期スタイルが効果的です。
4. 富士通(6702)|クラウド・量子・防衛システムの総合企業

富士通は、政府・自治体・防衛省におけるITシステム構築の最大手。
また、NEC同様に量子コンピューティング技術にも積極的です。
さらに「Fujitsu Uvance」ブランドのもと、
AIによるセキュリティ監視や国産クラウドの強化を進めており、
まさに“デジタル防衛の要”といえるポジションを確立しています。
富士通は海外売上比率も高く、国策×グローバル展開の二重追い風を持つ点が魅力。
地味ですが、配当+長期安定テーマとして資金が集まりやすい銘柄です。
5. 中堅セキュリティ企業に広がるチャンス

大手だけでなく、サイバー防衛の民間連携が進むことで中堅企業にも波及。
注目されるのは以下のような銘柄です。
- ラック(3857):官公庁向けサイバー防衛、情報セキュリティ教育のリーディングカンパニー
- FFRIセキュリティ(3692):AIによるマルウェア解析、ゼロデイ攻撃防御技術で成長
- サイバートラスト(4498):電子認証・IoTセキュリティ分野で政府案件多数
高市政策では、民間との連携体制の強化が掲げられており、
これらの中堅セキュリティ企業にも政策マネーが流れ込みつつあります。
セキュリティ株はテーマニュースで急騰しやすいので、
分散投資+材料発表後の利益確定を意識して取引するのがおすすめです。
政策マネーの方向性:データ防衛とクラウド主権

今後5〜10年、日本政府が最も重視するのは「情報主権」です。
その実現に向けて、
- NTT・NEC・富士通が国産クラウド基盤を形成
- 防衛省・内閣府がAI監視ネットワークを導入
- 民間企業がセキュリティ教育・監視業務を担う
といった連携モデルが進行中です。
これは“情報防衛産業”という新しい産業の誕生を意味します。
「情報の国産化」は一過性ではなく、社会インフラの再構築です。
防衛・半導体に続く長期国策テーマとして、投資タイミングを逃さないようにしましょう。
まとめ:通信・セキュリティは“次の国策主役”
通信・サイバーセキュリティ分野は、
高市銘柄の中でも「国の根幹を守る」最重要領域。
防衛・AI・半導体の基盤を支える“情報の血流”であり、
国策の持続的成長を下支えする存在です。
これからの高市銘柄投資では、
「データを守る企業」「情報をつなぐ企業」にこそ注目が集まります。
NTT・NEC・富士通・ラック・FFRI――
これらの企業は、日本の“情報安全保障”を担う中核です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 通信関連が高市銘柄として注目される理由は?
A. NTT法改正やIOWN構想など、国が通信インフラ強化を政策として推進しているからです。
Q2. サイバーセキュリティ株は値動きが激しいのでは?
A. テーマ株として短期的な上下はありますが、政策支援が長期化しているため安定的な需要があります。
Q3. NTT株は地味と言われますが投資価値はありますか?
A. はい。配当が高く政策の中心にあるため、安定資産として優秀です。
Q4. 中堅セキュリティ企業に注目する理由は?
A. 政府・自治体との契約増加により、今後の成長余地が大きいからです。
Q5. 通信セクターと防衛セクターの違いは?
A. 防衛が“物理的防御”なら、通信・セキュリティは“情報的防御”。どちらも国策の両輪です。


