はじめに
AIが作曲する時代――そんな言葉も、いまや珍しくなくなりました。
テキストを入力するだけで、まるで人間が演奏しているような音楽を作り出す「SunoAI(スノーエーアイ)」は、その代表格です。
そして2025年、待望の最新版 「SunoAI v5」 が登場しました。
前バージョンの v4 や v4.5 で感じていた物足りなさや課題が、どれほど改善されたのか?
今回の記事では、実際に使用した感想や各ユーザーの評価も踏まえて、
- 音質(サウンドクオリティ)
- 生成スピード(動作の速さ)
- 表現力(音楽の豊かさ)
- プロンプト理解度(指示の正確さ)
- 使い勝手(UIや安定性)
の5つの観点から、SunoAI v5 の性能を徹底比較レビューします。
初心者の方でも理解できるように、専門用語はやさしく解説していきます。
SunoAIをこれから始めたい方、v4から乗り換えようか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 音質(サウンドクオリティ)の進化

クリアで広がりのあるサウンドへ
まず最初に感じるのが、「音がクリアになった!」という印象です。
v4では楽器同士の音がやや混ざり、全体がこもったように聴こえることがありました。
しかし SunoAI v5 では、各パートの分離感が格段に向上。
ドラムのアタック音、ベースの低音の締まり、ボーカルの抜け感――
どれも一段上のクオリティに仕上がっています。
特に注目すべきは、ノイズの少なさと空間の表現。
AIが生成する音楽では、細かい人工的ノイズ(ピチピチッとした歪み)が残ることがありますが、v5ではほとんど感じません。
音場(おんじょう:音の広がり)も自然で、イヤホンでもスピーカーでも聴きやすくなっています。
ボーカルの自然さ
SunoAI v4までは、「ボーカルが機械っぽい」「感情が薄い」という声も多くありました。
v5では、この点が大幅に改善されています。
たとえばポップスの女性ボーカルでは、息づかいやビブラート(声の震え)がより自然に再現され、
人間の歌声に近づいた印象を受けます。
英語の発音精度も上がっており、以前のように「聞き取れない英語」になることが減りました。
一方で、日本語歌詞の発音はまだ少し不自然な箇所があり、今後のアップデートに期待したい部分です。
2. 生成スピードと安定性

v4よりもレスポンスが速くなった
SunoAI v5 のもう一つの進化は、「生成スピード」です。
v4では、1曲生成するのに30秒〜1分ほどかかることもありました。
しかし v5では、平均15〜25秒程度で出力されるケースが多くなっています。
体感としては、約1.5倍〜2倍のスピードアップ。
これにより、アイデアをどんどん試す「即興制作」がしやすくなりました。
また、生成中に処理が止まる(フリーズする)現象も減少し、安定性が高まっています。
長尺楽曲への対応
v4までは、最大でも約2分前後の楽曲が限界でした。
v5では、3〜4分程度の長めの曲も生成できるようになり、曲としての“完結感”が増しています。
たとえば「静かなイントロから始まり、後半に盛り上がるバラード」といった構成も、より自然に再現可能になりました。
3. 表現力と創造性

ジャンルごとの対応力
SunoAI v5は、「ジャンルごとの個性」をつかむ能力が進化しています。
たとえば以下のような指定をすると、そのスタイルをより正確に反映します。
- 「70年代ロック風」→ アナログ感のあるギターサウンド
- 「Lo-Fiヒップホップ」→ ゆるやかなビートと温かみのあるサンプル感
- 「K-POP風」→ EDMベースとボーカルの華やかさ
v4では、ジャンル指定をしても似たような曲調になることが多かったのですが、
v5では違いがはっきり出ます。
特に、リズムや楽器の選び方がより人間的になり、「機械が作った曲」感が減っています。
曲構成の自然さ
v5では、イントロ → Aメロ → サビ → ブリッジ → エンディングといった構成を自動で生成する力も向上しました。
曲の流れがスムーズで、聴いていて飽きにくい仕上がりです。
以前はループ(同じフレーズの繰り返し)が多かったのですが、
v5では展開が自然で、“物語性のある音楽”を作り出せるようになっています。
感情表現の進化
「切なさ」「勇気」「懐かしさ」など、感情をこめた曲を作るのも得意になりました。
たとえばプロンプトに「懐かしいアニメ風」や「切ない失恋バラード」と書くと、
メロディやコード進行がしっかり雰囲気に合って出力されます。
これはAIが“感情のパターン”をより深く学習している証拠でしょう。
4. プロンプト理解度と操作性

より的確に「意図を汲み取る」
SunoAI v5では、プロンプト(=AIへの指示文)の理解力が向上しています。
たとえば以前は「ピアノ中心の静かな曲」と入力しても、ドラムが強めの曲が出ることがありました。
しかし v5 では、より正確に「静かなピアノ中心曲」を生成します。
また、「3分くらいの曲にして」「女性ボーカルで」といった細かな指定も反映されやすくなっています。
ネガティブ指示も有効に
v5では、「〜しないで」というネガティブプロンプトも通じやすくなっています。
たとえば、
- 「ノイズを減らして」
- 「リバーブをかけすぎないで」
- 「ドラムを控えめに」
といった指示を与えると、AIがそれを考慮して調整してくれる傾向があります。
これにより、より思い通りの曲を作ることができるようになりました。
インターフェースの改善
SunoAIのWeb画面(UI)もv5で少しリニューアルされ、
プロンプト入力欄が広くなり、英語と日本語の混在にも対応しやすくなっています。
初心者でも迷いにくいシンプル設計で、
「テキストを入れてボタンを押すだけ」で音楽が生成される手軽さは健在です。
5. v4比較で見えた実力差

ここまでの検証を踏まえ、SunoAI v4とv5の違いを表でまとめてみましょう。
項目 | v4 / v4.5 | v5 | 改善ポイント |
---|---|---|---|
音質 | ややこもり気味、ノイズあり | クリアで立体感あり | サウンドの分離・解像度UP |
ボーカル | 機械的・平坦 | 息づかいが自然、ビブラート表現 | 感情表現の向上 |
生成スピード | 30〜60秒程度 | 約15〜25秒 | 約2倍高速化 |
曲の長さ | 約2分前後まで | 3〜4分まで対応 | 長尺楽曲も自然に生成 |
プロンプト理解 | 抽象指示が通りにくい | 具体的な指示反映が安定 | 意図を読み取る精度UP |
感情表現 | 弱め | 強化 | バラード・ポップで顕著 |
安定性 | 時々エラー・フリーズ | 改善傾向 | 長時間でも安定出力 |
無料ユーザー対応 | あり | 制限あり(主に有料向け) | 有料プランで本領発揮 |
このように見ると、SunoAI v5 はほぼすべての面でv4を上回っていることがわかります。
特に「音質」「スピード」「構成力」は大きな進化ポイントです。
一方で、無料ユーザーが使える範囲はやや限られているため、
本格的に音楽制作をしたい方は有料プラン(Pro / Premier)を検討する価値があります。
まとめ
SunoAI v5 は、単なるマイナーチェンジではなく、音楽生成AIとしての完成度を一段引き上げたメジャーアップデートと言えます。
- 音質はよりクリアでプロ仕様に近づき
- ボーカルも自然で表現豊かになり
- 生成スピードも大幅に改善
- プロンプト理解も格段に正確
- 長尺曲や複雑な構成にも対応
v4と比較しても、ほぼすべての項目で性能が上がっています。
とくに、AI初心者でも「短時間で本格的な楽曲が作れる」という手軽さはそのままに、
出力結果の完成度が大きく上がった点は評価すべき進化です。
まだ「人間らしい感情表現」や「ジャンルの細かい差異」などの課題はありますが、
SunoAI v5 は“AI音楽の未来”を確実に前進させたと言えるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1:SunoAI v5は無料で使えますか?
A1:一部の機能は無料ユーザーも試せますが、v5のフル機能はProまたはPremierプラン限定です。
Q2:v4とv5、どっちを使うべき?
A2:高品質な音や構成を求めるならv5がおすすめです。無料で手軽に試したいだけならv4でも十分楽しめます。
Q3:日本語の歌詞にも対応していますか?
A3:はい、対応しています。ただし英語より発音が不自然な場合もあり、今後の改善に期待です。
Q4:商用利用は可能ですか?
A4:有料プランの範囲内であれば商用利用が認められています。利用規約を必ず確認しましょう。
Q5:初心者でも本当に曲が作れますか?
A5:もちろん可能です。テキストで「明るいポップスを作って」と書くだけでOK。音楽知識がなくても始められます。
